「京都で学んだ、”指示を下ろすこと”と”教育すること”は別物──メンバーが動かない本当の理由」

「ちゃんと指示は出している。それなのに、メンバーが動かない」——そう感じたことはないでしょうか。実はその原因は、メンバーの能力ではなく、”指示を下ろすこと”と”やり方を教えること”を、同じものだと思ってしまっているところにあります。私が京都の現場で学んだ、大きな教訓の話です。

私はサントリーで43年間、営業の現場に立ってきました。京都のあるチームを引き継いだとき、そこは数字が伸び悩んでいました。メンバーが怠けているわけではない。むしろ真面目に動いている。それなのに成果が出ない。最初は、私にもその理由が分かりませんでした。

01指示は下りているのに、現場が動かない

現場をよく観察してわかったのは、こういうことでした。それまでのマネジメントは、上から降りてくる指示を、そのままメンバーに下ろすだけになっていた。「これをやれ」「あれをやれ」という指示は届いている。けれど、「なぜそれをやるのか」「どうやればうまくいくのか」が、誰からも教えられていなかったのです。

特に当時、そのチームが向き合っていたのは、当時としては新しい業態のお客様でした。私のいた酒類業界は、長く酒税法に守られ、お酒は「酒屋さん」が売るもの、という時代が続いていました。そこへ、スーパーやコンビニがお酒を扱い始めた。長年の商習慣がそのままでは通用しない相手が、ある日突然、主戦場になったのです。業界にとっては、まさに青天の霹靂でした。

ところが前任のマネージャー自身が、その新しい業態への知見を持たないまま、これまで通りの指示を下ろし続けていた。悪気はありません。長年うまくいってきたやり方を、そのまま続けていただけです。けれどその結果、メンバーは、理解できない指示を、理解できないまま実行しようとして、空回りしていたのです。

——これは、お酒業界に限った話ではありません。取引先が変わる、市場が変わる、お客様の買い方が変わる。あなたの業界でも、似たことが起きていないでしょうか。

02「指示すること」と「教育すること」は、まったく別物

ここに、多くの組織が陥る落とし穴があります。指示を出せば、教えたつもりになってしまう。けれど、この二つはまったくの別物です。

指示は「何をやるか」を伝えるだけ。教育は「なぜそうするのか」「どうやるのか」を理解させ、自分で判断できるようにすること。指示だけを下ろされたメンバーは、言われたことを言われた通りにやるしかなく、状況が変われば途端に動けなくなります。

そして怖いのは、指示を出している側は「ちゃんと伝えている」と思い込んでいることです。動かないのはメンバーのせいだと感じてしまう。けれど実際には、動くために必要な”理解”が、まだ渡されていないだけなのです。

こんな状態になっていませんか

  • 指示は出しているのに、メンバーが指示待ちから抜け出さない
  • 「なぜこれをやるのか」を、メンバーが説明できない
  • 状況が少し変わると、途端に手が止まってしまう
  • 新しい取引先や市場に、これまでと同じやり方で当たっている
  • 成果が出ないのを、メンバーの能力のせいだと感じている

03まず、自分が現場で学び直した

私がやったのは、メンバーを叱咤することでも、新しい指示を追加することでもありませんでした。まず自分自身が、その新しい業態のお客様を現場で徹底的に観察し、何が通用して何が通用しないのかを学び直すことから始めました。

そのうえで、学んだことを「やり方」としてメンバーに伝えていきました。この業態のお客様は何を求めているのか、だからどう動けばいいのか。指示ではなく、理解として渡す。「言われたからやる」から「意味がわかったからやる」へと、メンバーの中身を変えていったのです。

教育が抜けていた頃

上からの指示をそのまま下ろすだけ。メンバーは意味が分からないまま実行し、状況が変わると動けなくなっていた。

✓ 教育を渡した後

「なぜ・どうやるか」を理解したメンバーが、自分で考えて動き出した。新しい業態でも成果が出るようになった。

04放置していたら、どうなっていたか

もしあのまま指示を下ろし続けていたら、どうなっていたでしょうか。

メンバーは「やっているのに評価されない」と力を失い、マネージャーは「指示しても動かない」と苛立つ。お互いが相手のせいにしながら、新しい市場のチャンスを丸ごと逃していたはずです。教育の欠落は、静かに、しかし確実に、組織の成長を止めてしまいます。

京都で学んだのは、この一点でした。人が育たない・動かないとき、疑うべきはメンバーの能力ではなく、「指示は下りているが、教育が抜けていないか」ということ。特に、市場や取引先が変わったときほど、この落とし穴は深くなります。

05「指示は下りているが、教育が抜けている場所」を一緒に探しませんか

あなたの会社にも、指示だけが下りて、やり方が教えられていない場所があるかもしれません。特に、時代や取引先が変わったのに、これまでの成功体験のやり方をそのまま下ろし続けている——これは、優秀な社長ほど陥りやすい罠です。悪気なく、良かれと思って、そうなってしまう。

まずは、あなたの会社で「指示は届いているのに動いていない場所」がどこかを、一緒に見つけるところから始めるのが近道です。そこに、教育という一手を入れるだけで、動き出すメンバーは必ずいます。

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「指示しているのに、メンバーが動かない」——その原因が能力なのか、教育の欠落なのかを、43年の現場経験をもとに一緒に見極めます。あなたの会社の状況をうかがったうえで、最初の一手をお話しします。無理な営業や契約のお願いは一切いたしません。

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